高性能住宅は、今回確認した国の資料では定義が見つからなかった言葉です。使う会社によって指す中身が変わるため、国の制度で使われている「等級」「認定」「省エネ基準」の言葉に置き換えて確かめると、比べやすくなります。
新築を考え始めると、住宅会社の資料や見学会で「高性能」という言葉を何度も目にします。断熱、気密、耐震と話が広がり、結局どんな家のことなのか分かりにくくなりがちです。
この記事では、高性能住宅という言葉の位置づけと、国の制度で確かめられること、住宅会社に聞いておきたいことを順に整理します。参照した国土交通省などの資料は、記事の後半にまとめています。
「高性能住宅」に、法律上の定義はあるのか
今回確認した国土交通省の資料では、「高性能住宅」という言葉そのものを定義した記述は見つかりませんでした。
国の制度が決めているのは、「耐震等級」「断熱等性能等級」「長期優良住宅の認定」のように、性能や基準ごとの言葉です。高性能住宅は、これらを組み合わせて住宅会社が使う呼び方、と考えると整理しやすくなります。
そのため、同じ「高性能」でも、ある会社は断熱を、ある会社は耐震を指していることがあります。広告の言葉をそのまま受け取らず、「どの性能を、どの基準で言っているのか」を聞くことが出発点です。
国の制度で見る、3つの物差し
高性能かどうかを考えるときに使える国の物差しは、大きく3つあります。
| 制度 | 見ているもの | 知っておきたい点 |
|---|---|---|
| 住宅性能表示制度 | 住宅の基本的な性能を、国が決めた共通のルールで、等級などで表示する | 任意の制度です。第三者機関が評価し、評価書が交付されます |
| 長期優良住宅の認定 | 長期にわたり良好な状態で使うための措置、居住面積、地域の環境への配慮、維持保全計画、自然災害への配慮 | こちらも任意です。着工前に建築と維持保全の計画を作り、所管行政庁へ申請します |
| 省エネ基準 | 断熱性や設備の効率など、住宅のエネルギー消費に関する基準 | 2025年4月以降に着工する新築は、原則として基準への適合が義務です |
制度の内容や基準は見直されることがあります。計画するときは、国土交通省や評価機関の最新の案内で確認してください。
住宅性能表示制度は、等級で見る
住宅性能表示制度は、国が決めた共通のルールで、第三者機関が住宅の性能を評価して表示する仕組みです。
等級の読み方:耐震等級の例
国土交通省の資料の耐震等級の説明は、次のとおりです。最も低い等級は、数百年に一度程度の極めてまれな地震の力で倒壊や崩壊をしない程度で、建築基準法の水準に相当します。上の等級は、その基準の1.25倍、1.5倍の力に対する強さとされています。
等級は、数字が大きいほど要求される水準が上がる表し方です。ただし、等級が付いているかどうかは、その家ごとの評価や計算で決まります。会社が「高性能」と言っているだけでは分かりません。
断熱の等級にも、上の段階がある
断熱等性能等級には、省エネ基準より上の段階を設ける案が、国の検討会資料に示されています。同じ資料には、ZEH水準にあたる上位の等級を新たに設ける案も示されています。現行の等級は最新の資料で確認してください。会社が断熱を「高い」と言うときは、等級と、その根拠になる計算の有無を確かめましょう。
数値の高さだけで、選ばないために
等級や数値は、家の性能を比べる大事な手がかりですが、暮らしやすさのすべてを表すものではありません。
性能の高さが光熱費や住み心地にどう表れるかは、家の大きさ、間取り、窓の位置、設備、暮らし方によって変わります。高い等級を取ることと、自分たちの暮らしに合っていることは、別の問いです。
そこで、「高性能」という言葉を聞いたら、次の3つに分けて受け止めてみてください。
住宅会社に確かめたい5つのこと
質問の目的は、「高性能」の中身を、会社と自分たちで同じ言葉にそろえることです。
| 確認すること | 聞き方の例 | 見る書類 |
|---|---|---|
| どの性能の話か | 高性能とは、耐震、断熱、省エネのどれを指していますか | 会社の資料、説明の記録 |
| 等級や数値か | 等級や数値で言うと、いくつですか。計算した結果ですか | 計算書、設計図書 |
| 第三者の評価があるか | 住宅性能評価書や長期優良住宅の認定は、取る予定ですか | 評価書、認定通知書 |
| 数値の条件 | この数値は、私たちの建てる地域とプランでの値ですか | 計算書、図面 |
| 見積もりに含まれるか | その性能にするための内容は、見積もりに入っていますか。追加になる場合はいくらですか | 見積書、評価書の申請費用の案内 |
評価書の取得には、申請の手続きと費用がかかる場合があります。取るかどうかは、各社に確認してください。
確かめる順番
- 1性能の名前をそろえる「高性能」を、耐震・断熱・省エネなどの言葉に置き換えてもらう
- 2書類で見せてもらう等級や数値の根拠を、計算書や評価書で確かめる
- 3自分たちの暮らしに当てはめる家族の暮らし方で、どの性能を優先するかを決める
ハンズホームで、一緒に確かめる場
ハンズホームには、常設のモデルハウスはありません。間取りを一緒に見る場を用意しています。
間取り相談会は、岡山市北区田中の本社で行う予約制の相談です。所要時間は60分ほどで、相談料は0円です。公式ページには「まず、見るだけで大丈夫です」と案内しています。「好き・気になる」と思った間取りを、一緒に見ていきます。
賢い家づくりセミナーは、無料のセミナーです。
ここに書いた相談会とセミナーの内容は、公式ページの記載に基づきます。日程や空き状況は、各ページで確認してください。
根拠として参照した公開資料
制度の説明は、次の公開資料を確認して書きました。国の資料の確認日は、いずれも2026年10月5日です。
- 国土交通省 住宅局「住宅:長期優良住宅のページ」(令和7年12月1日更新) https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000006.html
- 国土交通省「住宅性能表示制度の概要」(資料4。作成年月は資料に記載なし) https://www.mlit.go.jp/common/001007986.pdf
- 国土交通省「住宅性能表示制度の省エネ上位等級の創設」(検討会資料4-2。作成年月は資料に記載なし) https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001424534.pdf
- 国土交通省 住宅局「省エネ基準引き上げへ。脱炭素化も。」(更新日の記載なし) https://www.mlit.go.jp/shoene-jutaku/
- 国土交通省 住宅局住宅生産課 報道発表資料(令和7年6月27日)「新築住宅の3戸に1戸が住宅性能表示制度を活用!」 https://www.mlit.go.jp/report/press/house04_hh_001284.html
- ハンズホーム「間取り相談会」公式ページ(作成者:ハンズホーム。確認日:2026年10月5日) https://hands-home.co.jp/event/madorisoudankai/
- ハンズホーム「賢い家づくりセミナー」公式ページ(作成者:ハンズホーム。確認日:2026年10月5日) https://hands-home.co.jp/event/housemakeseminar/
上の資料は制度の考え方を示したものです。個別の住宅の等級や認定の有無は、その住宅の評価書や図面で確認してください。
よくある質問
高性能住宅について、よくいただく疑問をまとめます。
高性能住宅に、法律上の定義はありますか?
今回確認した国土交通省の資料では、「高性能住宅」という言葉を定義した記述は見つかりませんでした。国の制度にあるのは、耐震等級や断熱等性能等級、長期優良住宅の認定など、性能や基準ごとの言葉です。会社が使う「高性能」の中身は、等級や書類で確かめてください。
高性能住宅にすれば、光熱費は下がりますか?
下がるとは言い切れません。光熱費は、家の大きさ、間取り、設備、暮らし方によって変わります。性能の数値は比べる手がかりとして使い、自分たちの暮らしでの見込みは、会社に条件を伝えて確認してください。
住宅性能表示制度や長期優良住宅は、利用しなければならない制度ですか?
どちらも任意の制度で、利用するかどうかは建築主が選びます。省エネ基準への適合は、2025年4月以降に着工する新築で、原則として義務になっています。
住宅会社には、何を聞けばよいですか?
高性能がどの性能を指すか、等級や数値はいくつか、第三者の評価書や認定を取る予定か、数値はどの条件で出したか、見積もりに含まれるかの5つです。書類で見せてもらうと、会社どうしを比べやすくなります。
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