2026年10月現在の調査結果です。数字や制度は、日々変わる場合もあります。
断熱の最上位の段階は、5〜7地域ではUA値の基準値が0.26です。数字が小さいほど、外へ逃げる熱の量が少ないことを示しますが、その段階が自分の家に合うかどうかは、UA値だけでは決まりません。
新築の資料で見かける「断熱等性能等級」には、1から7までの段階があります。この記事では、その最上位の段階について、基準値の意味、C値との違い、設計で気をつけること、電気代の見方を整理します。
使った数字は、国土交通省が公開した設計ガイド(令和7年3月)などで確認できたものだけです。確認できなかったことは、その旨を本文に書いています。
断熱等性能等級は7段階。UA値の基準値で見る
段階が上がるほど、UA値の基準値は小さくなります。
設計ガイドによると、断熱等性能等級は長く4が最も高い段階でした。2022年に、より高い断熱性能を示す5・6・7が新しく設けられています。
| 等級 | UA値の基準値 | 資料での位置づけ |
|---|---|---|
| 4 | 0.87 | 平成28年の省エネ基準 |
| 5 | 0.60 | ZEH水準 |
| 6 | 0.46 | 5の段階より基準値が小さい段階 |
| 7 | 0.26 | 7段階のうち最上位 |
単位はW/(㎡・K)。5地域・6地域・7地域は同じ値です。出典:設計ガイドの基準表。
この資料は基準値を説明するもので、どの段階を選ぶべきかは示していません。選ぶ段階は、土地、予算、暮らし方とあわせて決めます。
地域によって、基準値は変わる
同じ段階でも、建てる地域の区分で基準値が違います。
地域区分は、全国を1から8までに分けたものです。次の表のとおり、数字の小さい地域ほど、基準値が小さくなっています。
| 地域区分 | 最上位の段階 | 平成28年の省エネ基準の段階 |
|---|---|---|
| 1・2地域 | 0.20 | 0.46 |
| 3地域 | 0.20 | 0.56 |
| 4地域 | 0.23 | 0.75 |
| 5〜7地域 | 0.26 | 0.87 |
出典:設計ガイドの基準表。8地域の値は省いています。
地域区分は市町村ごとに定められています。建築地がどの区分に当たるかは、設計者に確かめてください。この記事では、岡山市の区分を資料の上で確認できなかったため、5〜7地域で共通の値だけを載せました。建築地が4地域以下の場合は、値が異なります。
5〜7地域では、UA値のほかに、冷房期の平均日射熱取得率(夏の日射熱の入り方を表す数字)にも基準があります。基準表では、この値は4から7のどの段階でも同じで、5地域が3.0、6地域が2.8、7地域が2.7です。
UA値とC値は別の数字
UA値は熱の逃げにくさ、C値は隙間の量を見る数字です。
UA値は外皮平均熱貫流率のことで、室内外の温度差が1度のときに、外皮から逃げる熱の量を外皮の面積で割った値です。換気による熱の損失は含みません。外壁、屋根、床、窓をまとめた平均なので、窓の大きさや壁の組み合わせで値が変わります。
C値は、家の隙間の量を測った数値です。断熱等性能等級の基準表にあるのはUA値と冷房期の平均日射熱取得率で、C値の欄はありません。C値は、完成した家で気密測定をして確かめます。設計ガイドは、測定方法の例としてJIS A 2201を参考資料に載せています。
この資料でC値の目安の数字は確認できなかったため、この記事では書いていません。
最上位の段階で、設計に出てくる注意点
設計ガイドは、断熱性が高い住宅ほど、断熱以外の設計も見直す点を挙げています。
ガイドの対象は、断熱等性能等級が6以上の住宅です。熱の出入りが小さくなるため、これまでの設計の前提が変わる部分があるとされています。
日射を入れすぎる場合と、遮れない場合
ガイドは、冬に日射熱を取り込みすぎると、部屋の一部が過度に暑くなる場合があると述べています。中間期や夏に日射熱を抑えられないと、冷房の負荷が増える場合もあります。窓の位置と大きさ、庇や外付けのブラインドなど日射を遮る工夫は、断熱の数字と並べて確かめる項目です。
暖冷房と湿度の計画
熱の出入りが小さい家では、暖冷房の計画を住宅全体で見直す余地があります。ガイドは、日射の取得と遮蔽、湿度の管理について、従来よりも計画的な対応が要るとしています。
初期費用への影響は、家の内容や会社によって差が出るため、数字を示せる公的な資料は確認できませんでした。見積もりで確かめます。
電気代は、段階だけでは決まらない
金額や削減の割合は、この記事では示せませんでした。
設計ガイドには、省エネ基準の水準の家と比べた暖冷房エネルギーの計算例があります。ただし、東京(6地域)を例に、家の形や暖房の使い方などの前提を置いた計算です。部屋ごとに必要な時間だけ暖める場合と、家全体を連続して暖める場合で、比べる前提も分けられています。
実際の電気代は、家族の人数、在宅時間、空調の使い方、電気料金によっても違ってくる金額です。国土交通省の「住まい方ガイド」(令和6年3月)は、断熱等性能等級が6以上の住宅が対象で、日射のコントロールや暖冷房の運転方法など25のポイントを示しています。高い断熱性能を活かすには、住まい方も関わるという考え方です。
電気代の見込みを聞くときは、「どの条件で計算した数字か」まで確かめます。
工務店に確かめる順番
段階の数字を聞いたあとに、何を根拠にした数字かを聞きます。
| 見る点 | 聞くこと | 理由 |
|---|---|---|
| 地域区分 | この土地は、何地域の基準で計算しますか | 地域で基準値が違うため |
| UA値 | UA値はいくつで、どの図面と計算に基づいていますか | 窓や壁の組み合わせで値が変わるため |
| 窓と日射 | 冬と夏の日射を、どう取り込み、どう遮りますか | 暑さや冷房の負荷に関わる場合があるため |
| 気密 | 気密測定はしますか。結果はいつ見られますか | C値は測って確かめる数字のため |
| 暖冷房 | 暖冷房の機器は、家全体でどう決めましたか | 計画を見直す余地があるため |
| 費用 | 一つ下の段階と並べると、金額の違いはどこに出ますか | 費用の差は見積もりでしか分からないため |
質問は、見積もりを取る前の打ち合わせで使えます。回答の根拠になる図面や計算書を見せてもらえるかも、あわせて確かめます。
決める順番
- 1土地と予算を確かめる建築地の地域区分と、使える予算の範囲を先に押さえる
- 2二つの段階を並べる最上位の段階と、一つ下の段階で、同じ間取りの見積もりを取る
- 3暮らし方に照らす在宅時間や暖冷房の使い方から、違いを使いこなせるかを考える
最上位の段階が合う人もいれば、一つ下の段階で足りる人もいます。判断の材料は、数字と、その数字の根拠です。
間取り相談会について
間取り相談会は、岡山市北区田中の本社で行う予約制の相談です。所要時間は60分ほどで、相談料は0円です。公式ページには「まず、見るだけで大丈夫です」と案内しています。「好き・気になる」と思った間取りを、一緒に見ていきます。
ここに書いた相談会の内容は、公式ページの記載に基づきます。日程や空き状況は、相談会のページで確認してください。
根拠として参照した公開資料
断熱等性能等級とUA値の基準値は、次の公開資料と公式ページを確認して書きました。確認日は、いずれも2026年10月6日です。
- 「省エネ性能に優れた断熱性の高い住宅の設計ガイド」(令和7年3月) 作成:一般社団法人環境共生まちづくり協会(国土交通省住宅局が編集に協力) https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001424534.pdf
- 国土交通省 報道発表「断熱性の高い住宅の設計のポイント、紹介します!」(令和7年4月17日) 作成:国土交通省 https://www.mlit.go.jp/report/press/house04_hh_001264.html
- 国土交通省 報道発表「断熱性の高い住宅でのオススメの住まい方、紹介します!」(令和6年3月28日) 作成:国土交通省 https://www.mlit.go.jp/report/press/house04_hh_001218.html
- ハンズホーム「間取り相談会」公式ページ(作成者:ハンズホーム。確認日:2026年10月6日) https://hands-home.co.jp/event/madorisoudankai/
- ハンズホーム「賢い家づくりセミナー」公式ページ(作成者:ハンズホーム。確認日:2026年10月6日) https://hands-home.co.jp/event/housemakeseminar/
基準は改正されることがあります。岡山市の地域区分、C値の目安、電気代の金額と削減の割合、初期費用の差は、公的な資料で確認できなかったため、数字を載せていません。個別の建物は、設計者に確かめてください。
よくある質問
断熱の最上位の段階を調べている方からの質問をまとめます。
断熱の最上位の段階にすると、電気代はどのくらい下がりますか?
設計ガイドには、暖冷房エネルギーの計算例が条件つきで示されています。実際の電気代は、地域、家の形、暖冷房の使い方、料金で変わるため、この記事では金額や割合を示せませんでした。工務店には、自分の家の条件で計算した結果を聞いてください。
UA値が小さければ、住み心地もよいのですか?
UA値は、家全体の熱の逃げにくさを表す数字です。住み心地のすべてを表すものではありません。設計ガイドは、窓からの日射の入り方や、暖冷房、湿度の計画もあわせて見直すよう示しています。
C値は、断熱の段階の基準に入っていますか?
設計ガイドの基準表にあるのは、UA値と冷房期の平均日射熱取得率で、C値の欄はありません。C値は、気密測定で別に確かめる項目です。
建築地の地域区分は、どこで分かりますか?
地域区分は市町村ごとに定められています。建築地の区分は、設計者に確かめてください。
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