ベタ基礎は、壁の下の立上りに加えて、床下の全面に鉄筋コンクリートの底盤を設ける基礎です。布基礎は、壁の下に帯状に連続して設ける基礎です。どちらが合うかは、地盤と建物と設計で決まります。
基礎は、完成すると見えなくなる部分です。「ベタ基礎と言われたが、何を見て確かめればよいのか」と迷う人もいます。
この記事は、二つの基礎の形の違い、国の定めで確認できること、見た目と図面での確かめ方、シロアリや床下の湿気について施工者に聞く項目を順に整理したものです。基礎の優劣は断定せず、確認できた資料の範囲だけを書いています。
ベタ基礎と布基礎は、底盤の広がりが違う
違いは、地面に接するコンクリートの範囲にあります。ベタ基礎は床下全面に、布基礎は壁の下に沿って帯状に設けます。
どちらも、建物の荷重と外力を地盤へ伝える役目は同じです。建築基準法施行令第38条は、基礎が荷重と外力を安全に地盤へ伝え、地盤の沈下や変形に対して構造耐力上安全でなければならないと定めています。
| 見る点 | 布基礎 | ベタ基礎 |
|---|---|---|
| コンクリートの範囲 | 壁の下に連続した立上りと、その下の底盤 | 壁の下の立上りと、床下全面の底盤 |
| 立上りの間の地面 | 土のまま、または別の防湿措置をする場合がある | 底盤で覆われる |
| 国の定めで見る点 | 立上りの高さと厚さ、底盤の厚さ、根入れの深さ、鉄筋の入れ方に加えて、底盤の幅(地盤の力と建物の種類で定める表がある) | 立上りの高さと厚さ、底盤の厚さ、根入れの深さ、鉄筋の入れ方 |
| 図面での表れ方 | 基礎伏図で、立上りが線のように描かれる | 基礎伏図で、底盤が床下全体に描かれる |
告示の内容は、告示が対象とする建築物の場合です。実際の寸法と鉄筋は、設計図書で確認します。
どちらを選べるかは、地盤の力で決まる範囲がある
国の告示は、地盤の力に応じて選べる基礎の種類を定めています。優劣を決める内容ではありません。
平成12年建設省告示第1347号は、建築基準法施行令第38条第3項に基づく基礎の構造方法を定めています。木造の茶室・あずまやなどや、延べ面積10平方メートル以内の物置・納屋などを除く建築物について、地盤の長期に生ずる力に対する許容応力度に応じて、次のように定めています。
- 1平方メートルにつき20キロニュートン未満の場合は、基礎ぐいを用いた構造とする
- 20キロニュートン以上30キロニュートン未満の場合は、基礎ぐいを用いた構造またはべた基礎とする
- 30キロニュートン以上の場合は、基礎ぐいを用いた構造、べた基礎または布基礎とする
地盤の数値は、地盤調査の結果から決まります。告示は、改良された地盤では、改良後の許容応力度を用いるとしています。土地ごとに、選べる基礎は変わる場合があるのです。
この定めを読むと、ベタ基礎か布基礎かを選ぶ前に、地盤の数値を確かめる順番だと分かります。「ベタ基礎が優れている」「布基礎は古い」といった言い方は、今回確認した資料からは書けません。
見た目で見分けられる場面と、見分けにくい場面
完成後は、外から見える部分が限られます。見分けるには、工事中か、図面か、床下点検口が手がかりになります。
| 見る点 | 見るもの | 分かる範囲と注意 |
|---|---|---|
| 工事中(配筋の段階) | 立上りの内側の床下にも、底盤の鉄筋が並んでいるか | コンクリートを打つ前の期間だけ見える。見学できるかは施工者に確認する |
| 完成後の外観 | 地面から立ち上がる基礎の外側 | 外から見えるのは立上りの外側だけで、種類は外観だけでは判断しにくい場合がある |
| 床下点検口 | 床下の地面がコンクリートで覆われているか | のぞける範囲に限りがある。床下に入る作業は、施工者や点検業者に任せる |
| 図面 | 基礎伏図、基礎断面図 | 種類と寸法が分かる。記載が見つからないときは、質問する |
ここに書いた見方は、基礎の定義から読み取れる範囲です。基礎の品質や性能を、見た目だけで判断することはできません。
図面と現場で確かめる順番
契約の前なら、図面と地盤調査の結果で確かめられます。着工後は、配筋の段階が確かめる機会になります。
- 1地盤調査の結果調査の方法と結果、基礎の種類を選んだ理由を聞く
- 2基礎伏図底盤と立上りが、どの範囲に描かれているかを見る
- 3基礎断面図立上りの高さと厚さ、底盤の厚さ、根入れの深さ、鉄筋の入れ方を見る
- 4配筋の段階図面と現場を見比べられるか、見学の日程を聞く
- 5床下点検口点検口の位置と、点検の方法を聞く
図面の読み方に自信がなくても、「基礎の種類はどれですか」「その種類を選んだ理由は何ですか」の二つなら、そのまま聞けます。
- 地盤調査の結果は、基礎の種類にどう反映されていますか
- この基礎伏図で、床下全体に底盤がある部分はどこですか
- 配筋の段階を見に行くことはできますか。いつ頃になりますか
シロアリ対策は、基礎の種類だけでは決められない
今回参照した資料に、基礎の種類ごとのシロアリ被害の差を示す記載はありません。この記事では、差を断定しません。
建築基準法施行令第49条第2項は、構造耐力上主要な部分である柱、筋かい及び基礎の上に据える横材のうち、地面から1メートル以内の部分に、有効な防腐措置を求めています。必要に応じて、しろありその他の虫による害を防ぐ措置も講じるとしています。
この条文は、基礎の種類を条件にしていません。そのため、ベタ基礎でも布基礎でも、防蟻措置を具体的にどう行うかは、施工者に確認する項目になります。
施工者に確認する項目
- 防蟻措置は、どの部分に、どの方法で行いますか
- 配管が基礎を貫通する部分や、コンクリートの打ち継ぎ部は、どう処理しますか
- 防蟻措置の保証の有無と、再処理を考える時期はいつですか
- 引き渡し後の点検は、どの部分を、どの方法で見られますか
回答は、書面か図面に残してもらうと、後から見返せます。
床下の湿気は、法令の考え方と点検のしやすさを見る
床下の湿気は、基礎の種類だけでなく、床の高さ、換気、点検のしやすさと合わせて確かめます。
建築基準法施行令第22条は、最下階の居室の床が木造の場合に、床の高さと防湿方法を定めています。床の高さは、直下の地面から床の上面まで45センチメートル以上です。外壁の床下部分には、壁の長さ5メートル以下ごとに、面積300平方センチメートル以上の換気孔を設けます。
ただし書きでは、床下をコンクリート、たたきその他これらに類する材料で覆う場合は、この限りでないとしています。床下の覆い方で、確認する条文の範囲が分かれる点に注意が必要です。
図面を見るときは、床下の覆い方、換気の計画、点検口の位置を、一緒に見てください。床下の湿気の状態がどうなるかは、今回確認した資料からは書けません。施工者の説明で確かめます。
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ここに書いた相談会の内容は、公式ページの記載に基づきます。日程や空き状況は、相談会のページで確認してください。
根拠として参照した公開資料
基礎の定めは、次の公開資料で確認しました。
- 建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第22条・第38条・第49条(デジタル庁 e-Gov法令検索):基礎の一般的な要件、床の高さと防湿方法、柱・筋かい・基礎の上に据える横材の防腐と防蟻の措置。確認日2026年10月5日。建築基準法の対象となる建築物が範囲で、本文はこの範囲で書いています
- 建設省告示第1347号「建築物の基礎の構造方法及び構造計算の基準を定める件」(国土交通省ウェブサイトに掲載されたPDF。号・日付が空欄の様式で、官報や公式の告示一覧との照合はできていません):地盤の長期に生ずる力に対する許容応力度に応じた基礎の種類、べた基礎・布基礎の構造方法。確認日2026年10月5日。この様式のPDFを根拠にしました。木造の茶室・あずまやなどや、延べ面積10平方メートル以内の物置・納屋などを除く建築物が対象です
- ハンズホーム「間取り相談会」:作成者はハンズホーム。対象・予約・所要時間・場所・相談料の記載。確認日2026年10月5日
- ハンズホーム「賢い家づくりセミナー」:作成者はハンズホーム。家づくりの知識を整理できる場の案内。確認日2026年10月5日
よくある質問
ベタ基礎と布基礎について、迷いやすい疑問をまとめます。
ベタ基礎と布基礎の一番の違いは何ですか?
地面に接するコンクリートの範囲です。ベタ基礎は壁の下の立上りに加えて床下全面に底盤を設け、布基礎は壁の下に帯状に連続して設けます。どちらが合うかは、地盤、建物、設計で決まります。
完成した家の基礎は、外から見て分かりますか?
外観だけでは判断しにくい場合があります。基礎伏図と基礎断面図、工事中の配筋、床下点検口から見える範囲が手がかりになります。
ベタ基礎なら、シロアリ対策は要りませんか?
要らないとは言えません。建築基準法施行令第49条第2項は、柱、筋かい及び基礎の上に据える横材のうち地面から1メートル以内の部分に、必要に応じて防蟻の措置を講じるよう定めています。具体的な方法は、施工者に確認してください。
布基礎は、今は選べないのですか?
告示は、地盤の長期に生ずる力に対する許容応力度が1平方メートルにつき30キロニュートン以上の場合に、基礎ぐい、べた基礎、布基礎のいずれかを用いるよう定めています。ただし、これは告示が対象とする建築物の場合です。実際に選べるかどうかは、地盤調査と設計で決まります。
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